卒業後の進路を考えました
卒業後の進路
まず普通の学生の話をします。小学校〜大学院博士課程までストレートで進学した場合
大学院卒業時点で26才です。
その後は卒業後すぐに民間企業に就職する場合と、ポスドクといって任期ありの身で研究機関に属して
研究を続けて、准教授などを目指すアカデミー職のルートがあります。
研究者に定年はありません。そして昔よりも大学の進学の難易度は低く、博士号の取得も簡単になっています。
ポスドク(Post Doctor)までは誰でも上がれるが、その先に抜けれる人は絞られてきます。
PDは35才が節目(若手奨励金などの条件が35才以下のところが多い)ので、それまでにいい論文を書いて、名前を売って
どこかの研究機関に属しポストを得る事が卒業後の最初の目標となっています。
さて私の場合。来年入学で32才なので、3年で卒業してもすでに35。卒業時点でもう若手ではありません。
なのでアカデミー職のルートは難しいかもしれません(それでも目指しますが)。今後の将来を考えるとアカデミー職しか考えないというのは
リスクが高すぎるので、民間企業の道も考えていきます。
そこで民間企業としてどのような雇用があるかというと、
- 基礎研究
- 博物館、展示施設のキュレータ
- 研究機関の一般職(受付とか)
研究の第一線でなくても学問に携わる道はいろいろとあります
復学してやりたい分野
私の専攻は理工学部宇宙物理学です。
そして宇宙物理学の中でも衛星からの天体データに関するものです。
ものすごくざっくり言えば宇宙の起源を突き止めよう。
修士生の時はISS(国際宇宙ステーション)の測定機器の評価をやっていました。
宇宙に測定機器を持って行くと地上と違って大気に覆われていないので様々な宇宙線が機器に当たります。それにより測定したいデータと共にノイズとして検出されてしまいます。そのノイズ(バックグラウンド)を除去することを考える研究でした。
実験場で宇宙を想定した環境を加速器を使って作り、その応答をみるというものでした。
実験か解析どちらが好きかと言えば断然実験です。
しかし博士論文では装置を作っただけでは論文になりません。まだ誰も発見していないものが書かれていなければダメです。
よって上にあげたような測定機器の評価だけでは論文にならず、実際にISSに取り付けてデータを取得し、測定データを解析して何か発見をするまでを書かなければなりません。
しかし、この先数年は衛星を打ち上げる予定はないので、新しい衛星についてのなにかで論文を書くのは難しいです(卒論ではなく、投稿論文としてならアリ)。
なので、私の場合、すでに上がっている衛星のデータ解析でD論を書くことになります。
私の言う衛星のデータというのはγ線バーストです。
γ線バーストというのは星が死ぬ瞬間の大きなうめき声のようなもので、非常にエネルギーが大きく、地球近傍でも観測することができます。
しかしこのエネルギーは光速を超えない(とされている)ので目で見る星の光のように
何光年も前の光です。よって例えば明日γ線バーストが測定されたとします。それが宇宙生成からすぐに起きた事象であれば、宇宙の起源を知ることができると言われています。
1960年代に初めてγ線バーストが測定され半世紀以上経ちます。それにより蓄積されたデータは膨大で未だ明らかでない発見がまだ埋もれていると思います。
そのデータ解析をやろうと思っています。
社会人学生一番の問題は金
学業は楽しくて幾らやっても苦がないです。
よって問題はお金です。
社会人学生はお金を稼ぎつつ学業を行うというものです。
大きな会社であれば、それを奨励する制度があったりします。
お金出してあげるから学んできなさいということです。
ですが私の場合はもうフリーターなので、「一度社会に出たけどお金稼ぎつつ復学する」という意味で
社会人学生と言っています。
博士課程はほぼ授業というものがないので、週の何日かを働く日、他を大学に行く日として学業と就業を両立します。
しかし、輪講や外部実験、学会などで行かなければいけない日は多々発生します。週五のフルタイムの職業でこれをやるのはなかなかきつい。
とすると就業の方は出社の調整ができるパートorアルバイト
もしくはリモートワークになります。
後者であれば社会保険があったり、バイトよりは遥かに時給がいいのでそうしたかったです。
今もリモートワークを募集している色々なサイトにエントリーしていますが、倍率が高くなかなか、見つかりません。
ですが悠長に就活できないので、塾講師としてアルバイトすることにしました。
現在は週5で行っています。
大体母校に復学する場合、入学金が免除だったり半額免除だったりするので、大体年間100万くらい学費として稼ぐ必要があります。
なので世帯年収として300万くらいあればギリギリいけるかなと思います。
普通の学生だと博士課程は大体3年で卒業ですが、リソースを全て大学に割けないので大体は3.5-4.5年かかります。小数点があるのは
前期後期で卒業できるので。
なるべく早く卒業したいところです。
会社辞めて復学することにした
民間企業で6年働いたけど、やめて復学することにしました。
このエントリーは決意表明みたいなもの。
理工の大学院を出て電機メーカーに何年か勤めました。院卒は未だ就活ではかなり有利なものであって、物理→情報の畑違いにも関わらず、苦労することなく就職できました。
しかし人生甘くなかった。
入社一年目に月120残業x3で体を壊し、そこから休職→復職→・・・と繰り返しはや5年。某ゲーム会社に転職するも、客の扱いが酷すぎて大嫌いになってしまったので退職。
今は塾講師をやってるフリーターです。
人生好きなことしましょう。無理しても無理なものは無理です。
はい、暗い話おしまい。
復学して博士取ります
宇宙やりたいんじゃ。物理実験して、世の中でまだ知られていない事実が明らかになったり、論文の名前でしかみたことない人に直に会って話したりさ。
学生、教授関係なく学問の中では対等に議論できる。そんな世界がやっぱり好きです。